プチひまわりクラブ(ふたばの前身名)の古川と申します。今日は私が多胎支援活動を始めるのに至った想いを書き綴りたいと思います。

私は現在2歳5か月になる双子の男の子を育てており、妊娠中から双子や三つ子の「多胎」とよばれる多胎家庭についての情報を集めていました。
元々WEBデザイナーとして仕事していたので情報を集めることは苦にならず、少ない多胎情報の中で情報がある程度まとまって配信されるようになったらずいぶん多胎ママ達は助かるだろうなと思い、ツイッターで自動的に多胎育児に関する情報をつぶやくプログラムBOTを作りました。

▼双子ベビーBOT
https://twitter.com/twinschild_bot

そんな中で2018年に愛知県豊田市で三つ子のお母さんが不妊治療で授かった三つ子の中でも成長が遅かった次男(当時11か月)を畳に投げ落とし、死なせてしまうという事件が起こりました。
https://halmek.co.jp/culture/c/ccolumn/1778
裁判では、母親は1日に3人合わせて最低でも24回の授乳を行っており、寝る暇もほとんどなかった壮絶な育児が明らかになりました。
自宅を訪問した保健師に育児の困難を相談。行政や病院に不安を訴えたのに、適切な支援がなされず、追い込まれたのです。

双子ベビーBOTを通しても、その当時多胎界隈だけではなく、育児界隈にも衝撃が走ったのは言う間でもありません。

この事件からしばらく経った2020年頃から我が家は産後の育児が始まったのですが、三つ子事件は本当に他人事ではなく、我が家にも起こりえたことだなと過酷な双子育児の中でジワジワと現実味を帯びて感じるようになりました。

一人が泣き出して抱えながらあやし、そんな中つられて泣くもう一人の赤ちゃんを抱きしめることも出来ずに「腕がもう二本あれば。。。」
そんな泣きたい気持ちで、どうすることも出来ずに泣いてるわが子を見下ろしていたのを覚えています。

保育園に入園出来た時に職員室で「別に望んで双子だったわけじゃないんです」と涙がとまらなかったこともありました。
ささいな事が責められているように感じ、今思えば精神的におかしかったんだなと思います。

夫も育休を1年取ってくれ、実母も遠い距離を行ったり来たりと手伝ってくれたのに
身体がしんどくて全然眠れずに産後四か月で断乳を決めたり
蕁麻疹を起こしたりと心ではまだ大丈夫と思っていても体がSOSを出していました。

つらかった不妊治療を経て、ようやく子供を授かったのに、双子じゃなければもっと伸び伸びと心も体にも余裕のある育児が出来たんじゃないか。
など母親失格だなと思うくらいには辛いときは「双子じゃなければ」が何度も頭をよぎりました。

なぜ双子だとこんなに大変なんだろう。
誰も私たち双子や三つ子の多胎家庭の大変さなんて知らない。
気づくのは三つ子事件のように事件化してニュースになった時なんだ…と思いました。

泣いていても、大変さを周りに愚痴っても、何も変わらない。
単胎児(一人のお子様)を前提とした世の中のシステムに
多胎家庭がどれだけ救われていないか、どれだけ支援の手から零れ落ちているのかそれを伝えてなくては。
行政や生活するうえでのルールを変えていかないと私だけじゃなくこれから続く多胎家庭もずっとこの不遇な状態を耐え抜かなければならない。

お恥ずかしながら崇高な理念というより、どこかこんな理不尽な扱いっておかしくない!?という怒りから私は動きだしました。
自分たちだけ多胎家庭だけ優遇してくれ!と言いたいわけではなく、仮に単胎家庭が0とした時に現状マイナス状態にある多胎家庭をせめて0に近い数値にまで押し上げてほしい。

  • 双子用バビーカーでは折りたためなければバスの乗車を拒否されること
  • 電車も双子用ベビーカーでは混雑する車内で乗り込むことの怖さと、エレベーターやバリアフリー化されている駅ばかりではないこと。乗れない。
  • 市役所ですら双子用ベビーカーではエレベータに乗れる広さが確保されていないこと
  • おもいやり駐車場以外の狭い駐車場では双子用ベビーカーを出して乗せるのが危険。しかしそのおもいやり駐車場の利用が短期間で終わってしまうこと
    (歩けるようになっても同時に別方向に歩き出す双子には、歩行できるか否かではなく、安全面として3歳程度までベビーカーを使う家庭が最も多かった)
  • 産後の人手が絶対的に必要なのにファミリーサポートは「産後子供を連れての面談が必須」のため、睡眠不足で体の負担の大きなママが外出のハードルが高く、交通機関がほとんど使えない状態で登録すら大変なため多胎家庭で使っている人が少ない「使えない現実」。
  • 一時預かりも「二人枠」を取るのがどれだけ難しいか。助けてほしいときにすぐに使えない。
  • 心身共に疲れた多胎ママに自分の時間を作ってほしくても保育園では兄弟加点はあっても多胎加点がなく、2人を同じ園に入れる枠も取るのが大変。救済の優先度が高くても救うためのルールや加点がない。
  • 児童館や子育てセンター、保育園、幼稚園でも「お母さんがお子様を抱きかかえて部屋まで連れて行ってください」がどれだけ大変か周知されていない。

単胎児に比べて虐待率が3倍といわれている多胎家庭の現実
なのに支援がまったくない、または使えないことを知ってほしい。
当然のようにあるものも、万全ではない体調の母親が二人の赤ちゃんを抱えて使うにはとてもハードルが高いことを知ってほしい。

双子や三つ子を授かっても安心して眠れる日が増えてほしい。
子供が一人でも、二人でも、三人でも、人数にかかわらず安心して子育てできる社会であってほしい。

子供を授かってよかったね、双子でよかったね
そう笑える日がこれからの多胎ママやパパ、家族が笑顔であるように、支援活動の輪を広げていけたらと思います。