多胎支援活動

双子・三つ子など多胎育児を取り巻く現状

多胎家庭(ふたご、みつごなどの家庭)は、妊娠・出産、育児にかけて身体的、精神的、経済的な負担が大きいという現実があります。

多胎育児においては、単胎家庭とは違った子育ての仕方や苦悩があります。
特に「授乳回数の多さ」「睡眠不足」「過大な心身への負担」など過酷な実態が問題となっています。

多胎家庭は、不妊治療の広がりの影響で近年増えており、30年前に比べると出産総数に占める割合は約1.5倍に増加しています。
しかしながら多胎児出産の割合が総分娩数の約1%であり、多胎児家庭は自分と同じ境遇の家庭と出会いづらい状況にあります。

周りに同じような多胎育児家庭がいないことで、気持ちが分かってもらえなかったり、外出も大変です。
そんなとき、誰かに相談できる、誰かに助けてもらえる、同じような多胎育児家庭とつながりを持つことは、とても心強いです。

以下、多胎家庭におけるリアルな声として、ふたばが2023年6月に調査した三重県多胎家庭へのアンケート結果をご紹介します。

多胎家庭における問題

外出・移動が困難である

外出準備の段階からとにかく大変。バスではベビーカーの折り畳みが求められ、電車では横型ベビーカーが幅をとるため各交通機関で困難な状況。
結果引きこもってしまう。

睡眠不足・体調不良

オムツ替え、授乳。その合間に搾乳・沐浴・寝かしつけ。乳児期にそれぞれの泣きを対応してたら記憶がない等、睡眠不足や産後うつに悩む親も少なくありません。

公園などの外遊びが困難

双⼦⽤ベビーカーが通れないところが多く、抱っこで親が2⼈いないと外出できない。
2⼈同時に泣かれたりオムツ替えをしなければならないリスクを考えると外出は控えざるを得ない。

経済的な負担

オムツ、ミルク、お尻拭きなど必要な消耗品やチャイルドシート等なんでも同時に支出が2倍。お下がりを使った節約が出来ない。
また双⼦ベビーカーなど多胎独自の高額出費がある。

希望する多胎支援の具体例

オムツやミルクなどの⽇常品⽀援

多胎育児で大変なことの⼀つに⼀⽇中ひたすら続く授乳がある。
多胎家庭の場合、必要となるミルク・オムツ・洋服等に単胎児家庭の2倍・3倍の費用が必要となる。これらの負担を軽減する施策を。

家事育児の人手

外出が困難なため、施設型一時預かりサービスを受けることが困難。よって、訪問型の一時預かりサービスが必要。
ベビーシッターは2名分かつ高額なので、民間シッター利用料補助してほしい。

多胎加点の全国化

多胎児を保育園に預ける場合には、同年齢枠に2⼈分(三つ⼦ならば3⼈分)優先的の空きが必要となる。

これでは異年齢の兄弟児を複数⼈預ける場合よりも、入園の確率は下がり不利となる。

このような多胎家庭の状況をきちんと把握して、加点を設定して頂きたい。

行政が多胎妊婦情報を把握した時点で行政側から情報と具体的支援を届ける

例として
①母子手帳と一緒に「ふたご手帖」を渡す
②乳児家庭全戸訪問事業では訪問時にファミリーサポート登録手続きができるようにするなど

多胎児家庭は大変なのはなんとなく想像はつくものの、マイノリティゆえに実際に何に困り、どう支援していいのか分からない方も多いのではないでしょうか。

行政支援のほとんどは単胎家庭向けのものが多く、小さい赤ちゃん子供を二人も抱えて一人の親が出来ることなど限られています。
そして親も家事育児に疲労困憊です。

助けてほしい…!
叫ばなければ気づいてもらえない。だから私たちは声をあげます。

助けてほしい…!
私たちが声をあげ、より良い結果につながった時、それはこれからも続く未来の多胎家庭への救済にもなります。
現状の、そして未来の多胎児家庭が少しでもより笑顔になるように一緒に変革の手を取って欲しいです。

上記「多胎家庭における問題」「希望する多胎支援の具体例」は下記資料よりデータ引用をしています。

  • 調査期間:2023 年6 ⽉1 ⽇〜6 ⽉30 ⽇
  • 対象者:三重県在住の多胎児(双⼦・三つ⼦)を妊娠中、もしくは育児中のご家族
  • 調査実施者:三重県多胎育児サークルふたば
  • 調査⽅法:SNS や対⾯等で依頼し、Google フォームでアンケート回収
  • 参照元:三重県多胎アンケート調査結果

多胎支援活動報告